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○ アマチュア 天体写真・博物史 ☆7 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]

○ アマチュア 天体写真・博物史 ☆6
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2023-10-15
の続きです。

「 短焦点反射 」☆★ の流行。
その一番最初は、1969年頃から・・

「 短焦点反射+郊外への遠征撮影 」という、
現代アマチュア天体写真家(星野)の原点が始まります。


アマチュア天文愛好者の多くが成人となった、1977年。※1
短焦点反射による、星雲星団・彗星撮像が、メジャー化
を開始します。

当時、短焦点反射の(半)自動ガイドを可能にした
小型赤道儀の開発は、タカハシが一番進んでいました。

TS式 6.5cm屈折赤道儀P型
この名機が、マッチプレート対応になったのは、1977年秋。

翌 1978年には、90S 赤道儀も発売されます。

一般アマチュアは、これら市販赤道儀+自作ミラー鏡筒
(半)自動ガイドで直焦点写真に挑んでいました。


IMGP0104ms.jpg

1977年
雑誌においても、天文ガイド本誌2~4月号

星野次郎氏による、短焦点反射の設計 etc の連載は
多くの新進 ATMer にとって、貴重な情報となりました。

(1977年当時、メーカー製の小口径・短焦点ニュートン
は無く、自作する必要がありました ※2)


短焦点反射の製作、及び直焦点撮像において、
口径・F値 → 視野角、コマ収差+湾曲収差量
極限等級の計算式 +一覧表 etc

貴重なデータが満載で、当時の自作者にとって
本当にすばらしい記事でした。


3ヶ月連続の記事中には、沢山の天体観測所+撮影者の
機材等も紹介されていました。

・星野次郎 氏(29㎝)
・小島信久 氏(31㎝)
・古田俊正 氏(31㎝)
・小石川正弘氏(20㎝)
・土屋清  氏(20㎝)

etc
当時の天文少年にとって、夢のような機材。

ミラーから鏡筒本体、赤道儀、駆動システム etc
大部分が自作でした。


1977年は、コダック103aE 等の天体写真用フィルムが
メジャーになった年でもあり「 相反則不軌 」が流行?
した年でもありました。


※1 (参考)

○ アマチュア天文宇宙界、2030年 問題? ☆1
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2023-09-17

※2
小口径・短焦点ニュートン

1978年、ミザールより、10㎝F6モデルが発売。
その後、ビクセン、タカハシ etc が追従しました。



続く・・ (`・ω・´)

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○ 日本国内・星雲星団カタログ探索 ☆2 [電子観望観測(星雲星団彗星)]

○ 日本国内・星雲星団カタログ探索 ☆1
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2024-01-26

・・の続きです。

日本において、アマチュア天文家による「 新彗星大国 」
の始まりとなった1960年代以降、関氏、多胡氏 etc による
更に詳細な、新しい星雲星団カタログが発表されました。

彗星と紛らわしい、微光の星雲星団等、300個以上のカタログ
は第1級の資料です。

1976年発行、「彗星の観測ガイド」(地人書館) ※1

多胡氏による、星雲団カタログが掲載されています。


IMGP0012ms.jpg


多胡カタログ 1976

372個の星雲星団等
約半数が、系外銀河です。

ほぼ全てのメシエ天体+NGC天体で、約 95%
名前の無い小さな散開星団等、約 5%

最小等級、約 11等級
15cm反射・コメットシーカー等で確認出来る対象です。

先の関カタログと比較して、口径の大きい分
微光の銀河等の収録数が増加しています。


1976年以降も、多胡カタログは補充され、500個超 ※2
のカタログとなった様子です。

11等級クラスの星雲状天体は、ほぼ網羅されている
感触です。


※1

「彗星の観測ガイド」(地人書館)

1970年代、世界一の彗星大国を支えた、
超ベテラン彗星観測者・捜索者が多数執筆された、
極めて貴重な書籍です。

関勉氏、多胡昭彦氏、長谷川一郎氏、etc
10人を超えるレジェントによる、第1級の資料
となっています。


※2
多胡カタログ・増補版

(参考)
https://www.ne.jp/asahi/nakaegaw/piz/tc/tc-sheet.html


続く・・ (`・ω・´)

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○ 日本国内・星雲星団カタログ探索 ☆1 [電子観望観測(星雲星団彗星)]

星雲星団カタログ~ メシエカタログが一番有名です。

1770~1780年代に編纂された110個の星雲星団、
8㎝クラスの小口径で眼視可能であり、入門者にとって
とても便利なカタログです。

メシエカタログ
当初の目的は、本人の彗星捜索等でしたが、その後20~
21世紀においては、広く観望リスト等として活躍しています。


日本においては、アマチュア天文家による「 新彗星大国 」
の始まりとなった1960年代以降、関氏、多胡氏 etc による
更に詳細な、新しい星雲星団カタログが発表されました。

彗星と紛らわしい、微光の星雲星団等、300個以上のカタログ
は第1級の資料です。

「 星雲星団マスター 」中野繁氏の観測リスト
短焦点反射の移動撮像の始祖、古田氏の撮像リスト etc も、
素晴らしいものです。

星雲星団・撮像マニアにとっても、これらのカタログ等は
対象選択時において、大きな指針となります。


IMGP9955ms2.jpg

彗星捜索者として、世界的レジェントの関勉氏。

著作は極めて多く、自費手版を含めで、数10冊以上。
一般には、「未知の星を求めて」が有名ですが・・

彗星捜索者・観測者にとって、バイブル的書籍は、
誠文堂新光社、ガイドブック・シリーズの内の1つである
彗星ガイドブック。1976年初版。

彗星捜索の実戦的なノウハウ等、様々な情報が満載ですが
中でも特筆すべき資料は、「 関カタログ 」でしょう。

メシエカタログと同様に、彗星捜索者にとって極めて重要な
星雲星団カタログとなっています。


IMGP9957ms2.jpg

関カタログ( seki catalogue )1976

312個の星雲星団等
約半数が、系外銀河です。

ほぼ全てのメシエ天体+NGC天体で、約 95%
名前の無い小さな散開星団等、約 5%

最小等級、約 11等級
15cm反射・コメットシーカー等で確認出来る対象です。


(参考資料)

関勉氏・オフィシャル
http://www.sekitsutomu.com/archives/35121547.html



続く・・ (`・ω・´)

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○ 佐賀県立・宇宙科学館、天文祭 2023 ☆1 [星祭り・イベント等]

banner2023ms.jpg

伝統の星まつり・・
佐賀県立・宇宙科学館(ゆめぎんが)、第15回 天文祭 2023 ☆★

11月18日(土)開催されました。
https://www.yumeginga.jp/330_observatory/observatory_starfes20231118.html

協力:
「スターパーティ in 白木峰 」実行委員会
八女星野・星の文化館天文クラブ ティコ etc

記念すべき、第1回・天文祭 2009 から、15回連続開催です!


今年も、かなり怪しい天気予報でしたが・・
天気に恵まれて、月、土星+木星、
星団星団、重星 etc が美しく眺められました。

気流(seeing)5-6/10 前後。
気温は低め、山沿いは初雪 ><

場所は、第二駐車場 (科学館正面) での開催。
(路面が安定しており、好評でした)

約 20台の、特製の望遠鏡等が沢山並び、壮観でした。


IMGP9841ms.jpg

一般望遠鏡

タカハシ FSQ-85
タカハシ FC-100
タカハシ μ-210

笠井、NINJA-400
Celestron -C11
EV-scope 110mm
etc

その他、自作望遠鏡

沢山の望遠鏡、双眼鏡等が揃い、一般からマニア迄、参加者全員
で楽しめるような、豪華布陣でした。

ここ数年、星祭り電子化ムーブメントに関し、いろいろ議論も
ありましたが・・

今年は、最新式の電子観望+伝統的な眼視観望のコラボレーション
が上手く機能し、ギャラリーからも好評だった模様です。※1


小口径・アポクロマートの活躍も見られました。

特に、タカハシFSQ-85+エクステンダー+古典的アイピース。
スペシャル・ラムスデン等、比類なきシャープネスで、こちらも
眼の肥えたベテラン観測者を唸らせる結像でした。
新発売の、タカハシ TPL アイピースも好評?でした。

また、話題の顕微鏡用アイピース。
ニコン 12.5 mm は、シャープネス+像面フラット性能が卓越
しており、美しい視野でした。


また、短焦点ニュートン+バローレンズ+古典的アイピース
の結像も、かなり良好な事が判別しました。

超広角アイピースからの回帰が、新しいムーブメントになるかも
知れません・・( 来年以降はどうなる? )


※1
伝統的な眼視スタイルの方が、ナマの臨場感が
あるとの感想もありました。

来年は、臨場感のある電子観望がテーマとなりそう?



続く・・ (`・ω・´)  

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〇 九州・大観望会(星宴)2023 ☆2 [星祭り・イベント等]

11月1日、16時~

天文ハウス・TOMITA(トミタ)主催
https://www.astroshop-tomita.com/seien-basic

福岡県八女市星野村、星の文化館(天文台)星の広場
https://www.hoshinofurusato.jp/information/archives/530

天候もまあまあ恵まれ、盛況でした。参加人数100人超。
同会場では、久しぶりの3回目の開催です。


IMGP9776ms.jpg


○ 話題の電子観望、会場各所でパワーUP

星宴(九州大観望会)2019 
では、電子観望ツール使用は、hajimechan を含めて
僅かなマニアのみでしたが・・

2021年から、急激にユーザーが増加。
CMOS素子サイズも、一気にM43~APS-Cサイズと、
ラージフォーマット +高性能化が著しい状況でした。

電子観望用の架台は、Sky Watcher 経緯台使用が多く、
口径・6~10㎝ 前後の小中口径を使用したシステム
中心でしたが・・

2023年、とうとうビックバンを起こした様なパワーUP!

上写真の様な、大口径アポクロマート(15㎝)+ 複数モニター
架台も、中大型赤道儀での精密2軸オートガイド etc

その他、プラネタリウムソフト等を使用した、マルチ画像演出 etc
一気に、エンターメントのレベルとなりました。

モニターの解像度(4K対応?)
彩度共に向上し、情報量自体が益々増加しつつあります。


IMGP9782ms.jpg

○ タカハシ TOA-130、FC-100DZ etc 最高機種!

良好な透明度・気流(seeing7+)に恵まれ、
様々な口径の高性能鏡筒を見る機会に恵まれました。
対象は、月・木星土星・近接重星等

口径.40~150 mm、アポクロマート等
口径.80~400 mm、ニュートン反射等

合計、約 20本

テスト倍率は、200~400倍、
かなりの高倍率領域です。


○ FC-100DZ ( ゼロ機 ※1)

TOE-4.0 mm → 200x
TOE-3.3 mm → 242x
TOE-2.5 mm → 320x

200x 
余裕がある倍率域

242x
土星
→ 明るさはそれ程落ちず、カシニも極めてシャープで明瞭
木星
→ 中央縞の擾乱(フェストーン)も明瞭

320x
月面(月齢18)
→ 充分な明るさで、コントラストはかなり高い。
  微小クレーター等の検出能力も。
近接重星(ことε)
→ ジフラクションリングは明瞭、2星の間隔が広く感じる。


242~320倍
明るさは控えめながら、極めてシャープ & しっとりとした質感。
集中すると、どこまでも見えてくる感触。
-
クランプに余裕で手に届く利便性。

アポクロマート・マニア評価は、ナンバーワン! ☆★

なお、TOE アイピースは従来型アイピースと比較し、
シャープネス+視野の均一性が高く、極めて良好な見え味。

※1

今回のデモ鏡筒
FC-100DZ、刻印なしの特別鏡筒?(通称・ゼロ機)

(参考) 2019 テスト記事

○ 九州大観望会 ☆ 4(タカハシ特集 etc)
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2019-10-12


続く・・ (`・ω・´)

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〇 九州・大観望会(星宴)2023 ☆1 [星祭り・イベント等]

11月1日、16時~

天文ハウス・TOMITA(トミタ)主催
https://www.astroshop-tomita.com/seien-basic
福岡県八女市星野村、星の文化館(天文台)星の広場
https://www.hoshinofurusato.jp/information/archives/530

天候もまあまあ恵まれ、盛況でした。参加人数100人超。
同会場では、久しぶりの3回目の開催です。


IMGP9733ms.jpg


会場は、福岡県八女市東部、広大な森林・高原の中にある、
美しい星空の天文台、温泉、キャンプ+、の複合施設です。
(天文台はツインドーム、口径 100/65 cm)

星空のレベルは高く、SQM平均値、21.0前後(極値、21.4 前後)

☆ 光害マップ (lightpollutionmap)
https://www.lightpollutionmap.info/#zoom=13.57&lat=33.2441&lon=130.7611&state=eyJiYXNlbWFwIjoiTGF5ZXJCaW5nUm9hZCIsIm92ZXJsYXkiOiJ3YV8yMDE1Iiwib3ZlcmxheWNvbG9yIjpmYWxzZSwib3ZlcmxheW9wYWNpdHkiOjYwLCJmZWF0dXJlc29wYWNpdHkiOjg1fQ==

メーカー等のブースも盛況でした。
・タカハシ
・ビクセン
etc

夜は、実機(望遠鏡等)のデモもあり、最高機種 (TOA-130、FC-100DZ etc)
の性能を体験出来ました。


IMGP9727ms.jpg


今回は、新型コロナも落ち着き、
九州北部(福岡・佐賀長崎大分熊本)を中心に、日本各地から
コアな天文ファンが集まりました。

一番遠くの参加者は、関東から何と新幹線で!

望遠鏡(鏡筒)数、約 50台

・話題の電子観望、会場各所でパワーUP
・大口径ドブソニアン、健在(MAX・40 ㎝!)
・タカハシ TOA-130、FC-100DZ etc 最高機種!

天文マニアも、垂涎の大布陣でした。


IMGP9729ms.jpg


メーカーブースの目玉は、やはり「 タカハシ 」

最高機種 (TOA-130 ) の性能は素晴らしく、
至高のシャープネス・コントラストを発輝していました。

木星、土星、月面等、濃淡のグラデーションが素晴らしく、
極めて滑らかで鮮やかな色味は、他の追従を許さないレベルです。

その他、13~15㎝クラス大口径アポクロマート鏡筒
(TMB、ZWO etc) が、多数展示されていました。

一方、10㎝クラスの高級アポクロマート(タカハシ FC-100DZ)
も、大口径に見劣りしないシャープネスの尖鋭像を見せていました。

新・カタログも沢山用意されていました。

(参考)

〇 九州・大観望会(星宴)特設サイト
https://www.astroshop-tomita.com/seien-basic
https://twitter.com/Tomita_Seien

〇 九州・大観望会 2022
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/archive/202210-1


続く・・ (`・ω・´)

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○ アマチュア 天体写真・博物史 ☆6 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]

○ アマチュア 天体写真・博物史 ☆5
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2023-08-11
の続きです。

「 短焦点反射 」☆★ の流行。

その一番最初は、1969年頃から・・
「 短焦点反射+郊外への遠征撮影 」という、
現代アマチュア天体写真家(星野)の原点が始まります。


1970年~1972、古田俊正氏

13㎝(F 5.8)短焦点反射、+冷却カメラで
更に高い解像の星雲星団等の撮像を成功させます。

アマチュア星野写真カテゴリーでは、今まで見た事の無い
ハイ・クオリティでした。最微星は、16等級前後。

当時、30㎝クラス以上の天文台で撮影されていたレベルと、
同等以上の極限等級・解像度を、露光時間10分前後の
撮像で捉えていました。

1972年発行 天文ガイド別冊「 星雲星団 写真集 」
・・は、その集大成的、超クオリティ写真が満載でした。


一方、当時の普通のアマチュア天文少年にとって
1972年時点の、これらハイアマチュアの撮像技術は、
半ば雲の上の存在でした。

一般アマチュアレベルの上限は、200mm前後の
カメラ望遠レンズによるものでした。



IMGP9677ms.jpg

5年後・・

アマチュア天文愛好者の多くが成人した、1977年。※1
短焦点反射による、星雲星団・彗星撮像が、メジャー化
を開始します。

当時、短焦点反射の(半)自動ガイドを可能にした
小型赤道儀の開発は、タカハシが一番進んでいました。

TS式 6.5cm屈折赤道儀P型
この名機が、マッチプレート対応になったのは、1977年秋。


星雲星団写真集は、古田俊正氏の31cm 撮像版、
写真で見る~ シリーズでの刊行を開始。

雑誌においても、天文ガイド本誌2~4月号、
星野次郎氏による、短焦点反射の設計 etc の連載

天文ガイド別冊、「天体写真 NOW 1~2」発売。


また、研磨材料等を扱う、日本特殊光機 etc の会社が
雑紙広告を開始したのも、この頃でした。

反射鏡の自作研磨は、多くが短焦点(F4~6クラス)
となりました。(1970年代前半は、F8~10が標準)

相反則不軌の少ない、コダック103a フィルムも、
取扱い店が増加します。

(古田氏が実用化した冷却カメラは、技術的な困難から、
その後ほとんど普及しませんでした。)


短焦点反射による星野写真。
周辺機器、情報等が急速に増えてきた、1977年でした。


※1 (参考)

○ アマチュア天文宇宙界、2030年 問題? ☆1
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2023-09-17



続く・・ (`・ω・´)

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○ アマチュア天文宇宙界、2030年 問題? ☆1 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]


明日 9月18日は、敬老の日。

日本全体の高齢化が進み・・
各分野で様々な ○○年 問題、が表面化しています。

アマチュア天文宇宙界も例に漏れず、高齢化が進行中。
通称「 天文、2030年 問題 」?

・・が、目の前に迫っています。


1986.06  photocon.jpg

IMGP9560ms.jpg


ハイアマチュア天文家の年齢分布。

詳しいデータは不明ですが、天文雑誌フォトコンの
年齢分布で、概略は把握出来そうです。

天文雑誌が一番売れたとされる、1986年。
(ハレー彗星接近)その年齢分布は、上グラフの通りです。
10~30歳台の若手が、全体の90%以上!

2023年現在は、全体の約10%前後ですから、
完全に年齢層が逆転しています。


既に、多くのハイアマ天文家が現役引退されましたが・・

その引退年齢は、およそ70台半ば前後、即ち後期高齢者
と呼ばれる75歳前後が平均となります。
(健康な方は、80歳過ぎでも現役です)

1986年前後のハイアマの過半数が、後期高齢者75歳
の壁に到達するのが、およそ 2030年。

「 天文、2030年 問題 」☆★ です。


かつて、ハイアマチュア天文家が創り出した分野。

○ 自作・望遠鏡(ミラー・レンズ)
○ 自作・赤道儀システム
○ 自作・特殊観測装置
○ 自作・天文系計算ソフト

○ 理論・観測天文学論
○ 多岐に渡る天体観測(撮像)

etc

・・の多くが、この年代、1955年~の新人類世代 ※1
即ち、モノ作り世代に引き継がれて、僅かに残っていました。
(技術の大元は、更に1~2世代前 ※2)


tenmon-ucyu.jpg

(参考) 消えゆくアマチュア天文家 ☆1
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2022-04-10


しかし、それらの貴重な技術の伝承は、遅々として進まず・・
即ち、モノに対する根本理解等、断絶の危機となりました。

後に残された世代は、完成品を操作するモニター状態。
研究・創造は苦手。マニュアル操作の理解のみ。

モノ作り世代の消滅は・・
即ち、新しいモノは何も作れないという事であり、
停滞&衰退を横目で眺めるだけとなる事でしょう。


様々な技術の継承等、即ち

・ハード、ソフトの保存体制
・技術の直接伝承体制
・新しい人材発屈
etc 

残された時間は、あまり有りません。


※1

新人類世代
1955~1965年前後生まれ ≒ X世代
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E4%BA%BA%E9%A1%9E

※2

現代ハイアマに通じる技術の大元は、2~3世代前。
即ち、1910年~生まれの天文家、星野次郎氏
等、伝説のハイアマチュア天文家らによるものです。

(参考)
○ ATM・博物史 ☆4 ( 星野氏+)
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2022-07-02


(その他・参考)
○ アストロアーツ・アンケート
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9694_stlshot
○ 望遠鏡博物館
https://www.telescope-museum.com/


続く・・ (`・ω・´)

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の続きです。

「 短焦点反射 」☆★ の流行。

その一番最初は、1969年頃から・・
「 短焦点反射+郊外への遠征撮影 」という、
現代アマチュア天体写真家(星野)の原点が始まります。


1970年~、古田俊正氏の活躍もパワーUP

13㎝(F 5.8)短焦点反射、+冷却カメラで
更に高い解像の星雲星団の撮像を成功させます。

アマチュア星野写真カテゴリーでは、今まで見た事の無い
クオリティでした。最微星は、16等級前後。

当時、30㎝クラス以上の天文台で撮影されていたレベルと、
同等以上の極限等級・解像度を、露光時間10分前後の
撮像で捉えていました。


IMGP9448ms.jpg


1971年夏、藤井旭氏著作「 星雲星団 ガイドブック 」

大口径望遠鏡等でしか見たことのない、銀河画像 etc ※1 
短焦点反射、+冷却カメラ、による衝撃的な画像は
当時の天文少年には、刺激的過ぎるクオリティでした。


また同時期の、ハイアマチュアによる作例は
熊本の宮本幸男氏等がいました。

星雲星団 ガイドブックに、15cmニュートン+非冷却カメラ
による作例が掲載されています。

宮本幸男氏は、1972年頃から、12cmライト・シュミット
の製作にも取り掛かかっています。※2



一方、当時の普通のアマチュア天文少年にとって
これらのハイアマチュア先端撮像技術は、半ば雲の上の
存在でした。

一般レベルの上限は、200mmカメラ望遠レンズ前後
のものでした。

また、市販のニュートン反射望遠鏡は、F10が標準で
あった為に、短焦点反射鏡の自作研磨ブームが興ります。


※1
(例) NGC-4565、中心の暗黒帯等のシャープな写真(197p)等
当時、かなりの衝撃を与えた1枚です。


IMGP9473ms.jpg


※2
〇 宮本幸男 氏・望遠鏡遺産 (ライトシュミット) ☆1
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2022-12-02


続く・・ (`・ω・´)

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○ アマチュア 天体写真・博物史 ☆4 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]

○ アマチュア 天体写真・博物史 ☆3
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2023-06-25
の続きです。

1965-1969 → 第1次・天体写真ブーム

1965年(昭和40年)
天文ガイド創刊+イケヤ・セキ彗星の出現。

35mmカメラ使用のアマチュア天体写真が、
急速に普及を始めます。

しかし、1965年時点における星野写真は、
簡素な固定写真(標準&広角レンズ)が大半で、
ガイド撮影は、ごく僅かなハイ・アマチュア天文家
による秘伝的?な技術でした。

1966~1967年においても、標準&広角レンズの固定
+手動ガイドが大半で、望遠レンズを使用した
星野写真の普及は、1968年頃迄待つ事となります。


1968年
天文ガイド別冊・望遠レンズによる星野写真集

藤井旭氏の実質的な書籍デビューであり、
200mm望遠レンズ等を使用した日本国内初?の
ハイ・アマチュアによる星野写真集 ※1 
となりました。


IMGP9428ms.jpg


1969年~、古田俊正氏の活躍も始まります。

「 短焦点反射+郊外への遠征撮影 」という、
現代アマチュア天体写真家(星野)の原点が始まります。

短焦点反射、冷却カメラ etc

新たなトレンド用語として、後の爆発的なブームとなる
これらのキーワードは、天文ガイド1969年2月号が
火付けだと思われます。

1969年前後は、12㎝(F 4.2)の短焦点ニュートン反射
を使用、20~30分露出で、多くの星雲星団の撮像を
成功させました。

それ以降は、13㎝(F 5.8)+冷却カメラで
更に高い解像の星雲星団の撮像を成功させ・・
1972年、初の書籍「 星雲星団写真集 」
の刊行となります。

「 短焦点反射 」 ☆★

・・の爆発的なブームが起こります。


※1

1968年当時は、乾電池等使用の小型モータードライブ
は市販されておらず「 手動ガイド 」がほぼ唯一の、
望遠領域の遠征・星野撮影の手法でした。

200mmレンズで、ニコン8cm赤道儀を使用した、高い精度の
手動ガイドを行なった新鋭の天体写真家「 藤井旭 」氏
の名は、ここから一躍有名になります。


1971年刊行、星雲星団ガイドブックにおいては、
藤井旭氏撮影(200mm望遠レンズetc)

古田俊正氏撮影(13㎝(F 5.8)+冷却カメラ)による、
当時の最高解像レベルの星野写真。

・・等が多数掲載されています。貴重な資料です。


なお、短焦点反射の(半)自動ガイドを可能にした
小型赤道儀の開発は、タカハシが一番進んでいました。

TS式 6.5cm屈折赤道儀P型  ☆★

1972年末に発売開始、極軸望遠鏡+小型モータードライブ
当時の大ベストセラーでした。

(モーターのみは、ミザール製が安価で高性能でした)


続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://hajimechan01.secret.jp/hosi.htm

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