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○ 星宴・2019-SP2、九州とタカハシの深い関係? [星祭り・イベント等]

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☆★ 星宴 2019 inうぶやま(熊本) 九州大観望会
https://y-tomita.blog.ss-blog.jp/2019-10-08-1

天文ハウス・TOMITA(トミタ)主催
天候もまあまあ恵まれ、盛況でした。参加人数 200人位。


タカハシ・ブース
スタッフの方は2名、九州での星祭り参加は初めてとの事。

タカハシのデモ望遠鏡は、新発売で注目の、FC-100 DZ。μ-180の2機種
赤道儀は、双方共にEM-11でした。

夜の観望タイムでは、FC-100 DZ が大活躍。
沢山のギャラリーを楽しませていました。月+土星 etc
TOE使用、300倍前後の高倍率でも、シャープネスが落ちません。

メイン会場の15cmアポクロマート群(400倍前後)と比較しても、
それ程の差は無い感じでした。

(備考) タカハシ FC-100 DZ
http://www.takahashijapan.com/ct-news/news_topics/news_19VII09_fc-100dz.html


さて表題の、九州とタカハシの深い関係?

時代は、1980年代前半に遡ります。
1980年時点において、天体写真派マニアの関心は「 短焦点反射 」 でした。

フローライト・ED使用の望遠レンズが、希少かつ高価な時代
星雲星団・彗星等(星野)撮影は、比較的低コストの、純ニュートン短焦点反射
(F4~6 前後)を使うのが、スタンダードの時代でした。

一方、ハイ・アマチュアの一部は、より高度でF値の明るい、シュミットカメラ
を使用し、使いこなせたユーザーは、素晴らしい作品を手にしていました。


タカハシの、反射系・写真鏡筒(アストロカメラ)の開発において・・
シュミットカメラの開発を手がける為に、1981年、熊本の光学研究家、
宮本幸男氏、を尋ねた事が記録されています。

当時、シュミットカメラ設計製作の、第一人者であった宮本氏。

タカハシの光学設計者、秦氏は3日程、熊本に滞在し、シュミットカメラの
設計情報等を得たとの事です。


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以下、天文ガイド・インタラクティブ 2号(1995)の記載です。

(原文ママ)

1980年に入りアストロカメラの開発は小休止状態。その間、
フローライト FC-100 を皮切りに屈折F:8シリーズ、そしてそれ
に付随するF:6レデューサを矢つぎばやに出したが、このレ
デューサの考えが、後のε型アストロカメラにつながる発端
になるとは、このころは夢にも思わなかった。

 ともかく新しいアストロカメラ光学系の開発がむずかしい
なら、すでに性能評価の定着しているシュミットカメラを作る
という手段があるのではないか、ということで計画はシュミット
への方向転換をはかることになった。ただ、当社ではそれまで
シュミットを手掛けたことはない。4次球面の補正板製作につ
いては、およその見当での手探り状況になりかねない。適当な
文献もなかったので取りあえず開発調査のため、以前からシュ
ミットの研究で知られ、製作についても豊富な理論と経験をお
持ちである熊本市の宮本幸男氏にお会いし、実地にお話をうか
がってみようということになった。事前に連絡を入れると氏は
快く承諾され、早速熊本に向かったのが 1981年5月16日であっ
た。研磨機や測定器やらがところ狭しと並べられた氏のご自宅
を訪問すると、初対面であったにもかかわらず親しく膝を交
え、くわしく製作について教えをいただき感謝であった。さ
らに熊本市内や阿蘇周辺をご案内くださり、シュミット調査に
来たのか観光に来たのかわからないような3日間であった。

ちょうどその時、氏は熊本県民天文台の設立にその主軸になって
忙しく奔走されていた時期であった。そして、それから丸1年
後の1982年にめでたく天文台は完成され、奇しくも1年前の訪
問と同じ5月16日の開所式の折に再び熊本を訪問できたのも深
い縁を感じた。その際、宮本氏からシュミットはまだですかと
問われた。たぶん、氏にとっても気にかかっておられたのだろ
う。熊本天文台は見事に完成されたが、しかし当方のシュミッ
トは諸般の事情から未だ計画段階のまま著しい進展もなく、明
暗分かれた再開となったことが心苦しかった。


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その後、1984年 (ハレー彗星回帰の2年前)

イプシロン・シリーズの販売が開始。当時は、ハイ・アマチュアに
多く使用され、新しい小惑星の発見等において、大きな役目を果たしました。

デジタル時代になり、リッチー・クレチアン反射等に押されがちですが
ε-180 ED 等は、現在も発売されており、各所で活躍中です。
また、セレストロン・RASA等の新設計アストロカメラ(F2)も出現。
反射系・アストロカメラ市場は、かなりの活況となっています。

さて来年以降、どのようなトレンドになるのでしょうか?


続く・・ (`・ω・´)   (次回、? )

☆ 星の便利帳
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm

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○ 星宴・2019-SP1、ニコンSW vs ペンタXW [星祭り・イベント等]

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☆★ 星宴 2019 inうぶやま 九州大観望会
https://astro-shop-tomita.wixsite.com/seien2019
https://y-tomita.blog.ss-blog.jp/2019-10-08
https://y-tomita.blog.ss-blog.jp/2019-10-08-1

各社ブースでは、様々な製品が展示されていました。



ペンタックス(リコー)ブースでは、XWアイピース全品(5.7.10.14.20mm)
揃っており、14/20mm を貸して頂きました。

○ ペンタックス、75mm SDHF+ XW アイピース
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/telescope/normal/75sdhf-xw/

XW アイピースは、ペンタックスSDHF 等の望遠鏡の特性に適合するように
設計されている様子です。

ペンタックス望遠鏡の特徴は、鏡筒内にフラットナーが装着されていて
湾曲収差が小さいことにあります。



通常の対物レンズは、湾曲収差(像面湾曲)があります。

フラットナー対応のアイピースを、非フラットナー光学系で使用する場合は
湾曲収差量がそのまま上乗せされる事になります。

通常の非フラットナー光学系で、周辺まで星像を点にする為には、
湾曲収差を補正する設計のアイピースが必要です。

ニコン-17.5 SW 等 (テレビュー・ナグラー等も)天体用アイピースは、
その湾曲収差を強引に補正、即ち像面を歪曲させて、周辺星像を点にします。

反面、歪曲収差(凸の樽型、or 凹の糸巻き型)が発生します。



○ 80/ 640 mm 自作・新型アクロマート装着、簡単インプレッション

今回は、自作研磨、新型8cmアクロマート+広角・中焦点アイピースの
テストも行いました。

右奥のメーカーブースでは、各社アイピース(国産+中華)が揃えられており、
比較テストを10本以上行いました。ニコン-17.5 SW のライバルと目される、
ペンタックス-XW 14/20との比較も出来ました。



○ ペンタックス-XW 14/20mm

像面はフラット、気持ちが良い、70度視野。
透明感が高い。風景が素晴らしい。ややソフトな星像。

星像は、視野周辺で肥大(ピンポイント範囲、約 50度)

○ ニコン-17.5mm SW

像面は歪曲(凸の樽型)が目立つ、やや狭い65度 視野。

星像は、65度全面ピンポイント、シャープな星像。



ペンタックス-XW 14/20mm、非フラットナー光学系ですので、
星空は、視野周辺部がやや厳しい感じです。

汎用・眼視用フラットナーの開発が望まれます。(既にある?)

ニコン-17.5mm SW は、実測視野が狭く(カタログ値は72度)
歪曲がかなり目立ちます。昼の風景はやや厳しいです。

星の粒立ち、コントラストや輝きは素晴らしいです。

天体観望・専用アイピースの感です。


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(追伸)

星宴 2019 inうぶやま 九州大観望会

PENTAX ブースには、垂涎のフルサイズ・K-1 が
鎮座しており、いろいろ触らせて頂きました。

コンパクトかつ、荘厳な佇まいでした。



続く・・ (`・ω・´)   (次回、九州とタカハシの深い関係? )

☆ 星の便利帳
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