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○ 自作研磨 80/ 380mm ニュートン ☆2 [望遠鏡・レンズ設計研磨]

○ 自作研磨 80/ 380mm ニュートン ☆1
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2023-01-07
・・の続きです。

クラシック・ニュートン反射の復権ブーム?にあやかり
80/380 mm 短焦点タイプ ※1
複数自作研磨+鏡筒作成となりました。


IMGP8988ms.jpg


最近の自作鏡筒。
トラス構造鏡筒が増え、ミニすばるタイプの望遠鏡が
増えて来た感触です。

見かけ以上に、軽量&堅牢な構造です。

眼視+写真、両用の軽量鏡筒は、装備重量 1.3kg
(プレート、ファインダー込み)
比類無い軽さ? です。

人が乗っても、ビクともしない堅牢性もあります。


○ ニュートン・反射望遠鏡。

理論上の中心星像は常に最小点ですが、
周辺のコマは、Fの二乗に反比例して肥大する為に、
F4~5 前後が、ウェルバランスな感触です。

従来(銀塩時代)は、コマ収差問題で、F6 前後が良好でしたが・・

2000~ デジタル時代に入り
・コマ収差補正レンズ(コマコレクター、フラットナー etc)
・小面積+高解像 CMOSセンサー

・・の普及により、F4~5前後の明るいニュートン反射が、
メジャーになりつつあります。


n891-380-1126.jpg

https://hajimechan01.blog.fc2.com/blog-entry-201.html

5号ミラー 電子観望・撮像。
ファースト・テストは、秋の定番、N-891 銀河。

ZWO-IMX 224 CMOS カメラ。
ノーフィルター、直焦点、1分1枚画像(画像処理は特に無し)

気温約 10度(センサー温度、15度)
極限等級、約 15.5+ 等級。

(口径・600mm class 眼視レベル)


1/3 inch (4.8 x 3.6 mm)  小サイズCMOSとしては
それなりの精緻度?

微調整が続きます・・


○ ZWO-224
https://www.kyoei-tokyo.jp/shopdetail/000000008852/ct1365/page1/order/

○ SharpCap Captures
http://www.sharpcap.co.uk/sharpcap/downloads/

○ 国立すばる画像解析ソフト makalii
https://makalii.mtk.nao.ac.jp/index.html/


続く・・ (`・ω・´)  

☆ 星の便利帳
http://hajimechan01.secret.jp/hosi.htm

☆ はじめちゃん@望遠鏡工房 twi ★
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○ 自作研磨 80/ 380mm ニュートン ☆1 [望遠鏡・レンズ設計研磨]

IMGP8500ms.jpg


昨年秋より、自作研磨 80/ 380mm ニュートン反射
製作が進行中です。


研磨の順番は

粗摺り(カーボランダム、80番)

中摺り(カーボランダム、240番)

仕上摺り(エメリー、800・1500番)

鏡面研磨(セリウム+研磨パッド)
です。


研磨運動は、円を描くような動きです。 

(備考) サイエンス・チャンネル ~光学レンズ研磨
https://www.youtube.com/watch?v=ZyYQVrVXszs

自作ミラー・手磨きの場合も、ミラーガラス、盤ガラス、
定期的に逆方向に回転させ、偏心を防ぎます。


研磨時間は、1面につき30分 ~1時間前後です。
ガラスの自重、及び体重(腕の重さ)を巧く使い、
適度な圧をかけて研磨します。

研磨は、長時間に及ぶので、体力の配分が重要です。


深さの計算式は、r -((r^2-y^2) ^ 0.5)  ☆★

80/ 380 mm 反射ミラーの場合

r = 380x2 = 760
y = 2/80 = 40
760-((760^2-40^2)^0.5) ≒ 1.05 ㎜

・・となります。


研磨そのものは、放物面への修正研磨を除き
レンズとほぼ同様の工程となります。

放物面作成迄の時間は、およそ6時間位。
レンズ研磨の、約 1/4 程度の時間で済みます。

(参考)
http://hajimechan01.livedoor.blog/archives/cat_159541.html



80mm-1019fi-900.jpg


ナイフエッジテスト(フーコーテスト) 画像診断です。

ZWO-224 + 25mm CS変換レンズでの測定写真。
やや双曲面(過修正)の状態です。

鏡面研磨では、研磨パッドを使用していますが、昔ながらの
ピッチ(アスファルト+)とは、その特性がやや違います。

パッドの場合、順摺りを続けると、自然に双曲線化(過修正)
する傾向があり、注意が必要です。



80mm-test-1019fi-excel.jpg


上記、スクリーン(ゾーン)解析(Excel)です。
理想的な放物面に、やや近いのが判明します。

中心から、30-90%を基準に解析すると、前後で最大 0.1mm
以内の焦点差異に収まっています。

(光源とカード等、独立移動式で2倍の数値です。)

波面収差は、約 1/6λ(ラムダ)前後
と推定されます。


鏡周、90-100 % ダウンとなっています。
研磨痕はやや少なくなり、そこそこ滑らかな鏡面です。

詳細を見れば、鍋底的な放物面鏡です。
中央付近は、山有り。

(30-100%、1/4λ前後) 



続く・・ (`・ω・´)  

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○ ATM・博物史 ☆5 ( 日本特殊光機 etc )  [望遠鏡・レンズ設計研磨]

○ ATM・博物史 ☆4 ( 星野氏+)
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2022-07-02

・・の続きです。

1970-1980年代、
望遠鏡・自作ブームの全盛期。

自作研磨用の、ガラス・研磨材等の販売等、
アマチュア天文家の夢をサポートしてくれた会社に、NTK
日本特殊光機 製作所(大阪)がありました。


IMGP7935ms.jpg


大口径の望遠鏡が未だ夢だった、昭和時代。

15㎝ ニュートン反射鏡の研磨セットが、僅か1万円台。
多くの自作マニアが、鏡面研磨に挑戦しました。

当時の、望遠鏡・自作マニアで、NTKを知らない人は居ない
と言える位の浸透度でした。

完成した鏡面のアルミメッキ、或いは上手くいかなかった
時の修正研磨サポート、更には鏡面研磨の研修会等、
様々なサポートもありました。


また、完成品の高精度鏡も定評でした。

中村鏡は、銘鏡として名を轟かしており、特に10㎝クラスの
使いやすい口径の高精度鏡は、多くの観測や雑誌のフォトコン
を彩りました。※1

赤道儀含めた完成品も多く販売しており、現在でも貴重な財産
(望遠鏡)となっています。


残念ながら、会社は、2000年代に休業?となった模様です。

多くの望遠鏡・自作マニア(ATM er)が、
路頭に迷ったような? 感じでした。

(令和時代、望遠鏡自作に初めてトライする人は、材料調達に
かなり苦労すると思われます。)


IMGP6844ms.jpg


上写真、

日本特殊光機・15㎝ ニュートン反射鏡研磨セット。

研磨砂等は、3面磨ける程の余裕の物量でしたので、
令和時代のレンズ・反射鏡研磨でも、フル活用しています。

(この秋予定の、ニュートン反射鏡研磨でも活用予定です。)

品質は良く、現在でも充分過ぎる程のクオリティです。


さて・・

平成時代以降の日本は、未曾有の経済衰退期に入り
科学技術大国から、観光立国に転落するに至りました。

ATM ~自作望遠鏡への熱意も、かなり衰退しました。

市販のレンズ・ミラー等を組み合わせる事を「 自作 」
と呼ぶ状態です。

(その市販レンズ・ミラー等の多くが、米国・中国・台湾 製です。)


それでも何時か、遥か未来には、モノつくりの情熱が
日本を動かす時が来る事を、期待せずにはいられません・・


※1 (参考)

○ 中川光学研究室ブログ
http://nakagawa-opticslab.blog.jp/archives/23828203.html



続く・・ (`・ω・´)

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○ ATM・2022 ☆6 [望遠鏡・レンズ設計研磨]

○ ATM・2022 ☆5
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2022-02-27

・・の続きです。

IMGP7364s.jpg

○ 新型・アクロマート、第4レンズ 

50/ 380mm (F 7.6)
電子観望システム、2枚玉・レデューサを併用
2群4枚構成

焦点距離 380mm →  40/ 135mm (F 3.3) 

軽量コンパクト 
対物レンズ、ユニット、約 100g +
抜群の機動性です。

https://hajimechan01.blog.fc2.com/blog-date-202203.html


m81-82-makalii3.jpg

テスト撮像・ M 81-82

(撮像データ)

40 /135mm(F 3.3)
新型・4㎝ 可視・近赤外レンズ

IMX 224 センサー(ZWO) + SharpCap 3.0
Gain ≒ 330、fits file
Gamma ≒ 70

露光時間 1分・1枚画像、リアルタイム
画像処理は特になし( Makalii 標準出力のみ)

最小星像、約 10μm
UV/IR CUT フィルター

SQM 20.5 +  
プチ遠征、ファースト・フォトです。


○ ZWO-224
http://www.kyoei-tokyo.jp/shopdetail/000000007489/ct979/page2/order/
○ SharpCap Captures
http://www.sharpcap.co.uk/sharpcap/downloads/

○ 国立すばる画像解析ソフト makalii
https://makalii.mtk.nao.ac.jp/index.html/


続く・・ (`・ω・´)

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○ ATM・2022 ☆5 [望遠鏡・レンズ設計研磨]

○ ATM・2022 ☆4
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2022-02-26

・・の続きです。

研磨パッド+セリウムによる、鏡面研磨が終了すれば、
レンズの研磨は、一応完成です。

通常の手順を踏めば、1/2 λ(ラムダ)前後の精度で
仕上がっています。


IMGP7098ms.jpg

○ 新型・アクロマート、第4レンズ (自作レンズ)
50/ 380mm (F 7.6)

設計データ

r1 = 185mm/8mm/BSL7 (BK7)
r2 = -165mm/0.2mm/AIR
r3 = -165mm/6mm/TIM2 (F2)
r4 = -1350mm/380mm/AIR


鮮やかな輝きの、2枚玉レンズ。
反射光が美しいです(ノン・コート)

いよいよナイフエッジテスト。胸が高まる瞬間です! 
(がっかりの時もあります。)

今回は、ナイフエッジテスト前に、眼視テストも実施。

フル口径、100% では、かなり酷い星像。
セミ口径、 80% では、まあまあの星像。
負修正。

レンズ周辺部(透過波面)のUPが、キツそうです・・


IMGP7007ms.jpg

新型・アクロマート、第4レンズ 50/ 380mm (F 7.6)

実測、ナイフエッジテスト画像(透過波面)

ナイフ(NTT・テレフォンカード)は、
左から右に移動しており、光は右から照らされた
状態です。

レンズ半径、25㎜ の内、周辺部 5㎜前後が、
ターンUPしている状態です。

1λ(ラムダ、波長)+ の超過と推測されます。
やや大きな負修正です。


一方、周辺部 5㎜前後より中心側は、なだらかな盆地状態です。

口径を、5㎜ 程度絞れば、そこそこ尖鋭像になります。
(口径、50 →40㎜ 前後)
1/2 λ 前後。


歪み精度等不問で、レンズ用ガラスを発注していますので・・

経年変化(一応9月末迄)を確認後、高精度研磨(1/8 λ前後)
に執り掛かる予定です。

その後、干渉計 ※1 での高精度測定の予定。


※1
レーザー干渉計。

日本国内においても、数社製造していますが、
国内トップシェアは、富士フィルムの様子です。

https://www.fujifilm.com/jp/ja/business/optical-devices/interferometer
https://www.fujifilm.com/jp/ja/business/optical-devices/interferometer/a1

解析システムは、高精度 & 美しいグラフィクです。
(球面レンズ、口径 60㎜ >)

P-V値、RMS値、鳥瞰図、等高線図、断面図 etc
の表示が可能です。


続く・・ (`・ω・´)

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○ ATM・2022 ☆4 [望遠鏡・レンズ設計研磨]

○ ATM・2022 ☆3
http://hajimechan01.livedoor.blog/archives/13066582.html

・・の続きです。

ATM (Amateur Telescope Making)※1
~アマチュア天文家による、望遠鏡の自作

日本がモノつくり大国と呼ばれた、~1980年代迄、
望遠鏡の自作が盛んでした。

atm2022.jpg


しかし現在、望遠鏡を光学系から自作する天文家は、
日本においては、極少数となりました。

日本の衰退は、更に加速している感じです。
(´・ω・`) ショボーン


ATMの本場、アメリカでは、100年前から現在に至る迄、
望遠鏡の自作が盛んです。

世界一モノが溢れた国で、自作スピリットは極めて旺盛です ☆★

○ クラウディ・ナイト ATM
https://www.cloudynights.com/forum/70-atm-optics-and-diy-forum/

自作望遠鏡(ATM) 関連のみで、約 23000 topix、
ここ1年間でも、約 3000 の増加です。



さて、日本で唯一? ATM 工房にて、新型・望遠鏡レンズ自作が
進行しています。

○ 新型・アクロマート、第4レンズ (自作レンズ)

50/ 380mm (F 7.6)
設計データ

r1 = 185mm/8mm/BSL7 (BK7)
r2 = -165mm/0.2mm/AIR
r3 = -165mm/6mm/TIM2 (F2)
r4 = -1350mm/380mm/AIR


IMGP6757ms.jpg


研磨方法は、ニュートン反射鏡等とほぼ同じ。
手磨きで形成していきます。

砂摺りは、4~5種類の超硬度研磨砂(カーボランダム等)
を使用して、進めて行きます。

カーボランダムは、ダイヤモンドに類似した炭化ケイ素(SiC)
モース硬度は 9/10


砂摺りが無事終了すれば、鏡面研磨。
研磨パッドの登場です。

粘着テープ付タイプを使用すれば、ハサミで丸くカットして
貼り付けるのみです。

古くからのピッチ(アスファルト+松脂等)と比較して
形成スピードが桁違いに上がりました。


鏡面研磨においては、研磨砂ではなく、セリウムの使用となります。

昔のタイプは、血糊のような色でした。
(最近のセリウムは、色味も薄い様子です。)

使用量は、1500 番砂の半分程度で、充分に磨けます。
研磨痕を生成しないよう、慎重に僅かづつ投入して磨きます。

研磨運動は、砂摺りと同様に、円を描くような動きです ※2

(備考) サイエンス・チャンネル ~光学レンズ研磨
https://www.youtube.com/watch?v=ZyYQVrVXszs



※1
ATM (Amateur Telescope Making)
の定義について、いろいろ議論されていますが・・

弊サイトでは、光学系の設計+研磨、双方を手掛けた
事例のみ、自作と明記しています。

光学設計ソフトの自作も、ATMに含みます。

即ち、光学パーツ等の組み合わせは、「 半 」自作の
カテゴリーと認識しています。


※2
昭和時代の望遠鏡、自作研磨 (レンズ・ミラー)は、前後運動が
多かった模様ですが、円運動の方が研磨スピードが上がります。
精密な修正研磨(鏡面研磨)等も、充分に対応出来ます。

なお、望遠鏡レンズ研磨もミラー研磨も、ほぼ同じ動きです。

レンズ研磨の場合、相当F値は、1~2 になる事もあり、
曲率は、かなりキツイです。

(ニュートンミラーは、F4~8前後)

ガラス研磨量も多く、より時間も掛かり煩雑です。



続く・・ (`・ω・´)

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http://hajimechan01.secret.jp/hosi.htm
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○ スモール・システム vs ラージ・システム ☆1 [望遠鏡・レンズ設計研磨]

○ スモール・システム望遠鏡、考察 ☆3
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2021-05-15

・・の続きです。

スモール・システム、~3つの省力化(3s)

・省時間
・省スペース
・省エネルギー

→ 機動性大・利便性大、+ 広視界撮像システム 

さて、スモール・システムに対抗する、ラージ・システム ※1
そのメリットは・・

→ 狭い領域での、高精度撮像システム
より暗い対象、より高い分解能(解像度)を追求可能です。


seiwa-500.png


上写真、口径 50cm 純ニュートン。( 2500㎜、F 5.0)

眼視、約15等級。
写真、約 19等級(露光1分)、約 21等級(露光1時間)
深宇宙等のデータ取得に、大きなアドバンテージとなります。

しかしながら・・
スモール・システム vs ラージ・システム
情報量は、口径とほぼ無関係です。※2

スモール・システムの光学的メリットは、広視界撮像システム
そのものに在ります。

(シミュレーション) ステラナビゲータ7
https://www.astroarts.co.jp/products/stlnav7/index-j.html

______________________________________________________


※1
スモール・システム → 口径 3~8 cm 前後
ラージ・システム  → 口径 30 cm ~

(口径比F、2 ~8 前後)

 
※2
口径~視野内平均星数シミュレーション、試算です (こと座ベガ付近)

(基礎条件)
50cm 大口径の場合・・

全天 15.0 等級 <、約 5400万個(理科年表等)
口径差^2 ≒ 40倍
5400/39 ≒ 140万 
視野直径約 0.5度

視野内平均星数は、8cm ≒ 50cm 
約 200 個 です。


dd50-3.0.jpg



8cm・RFT(単眼)
瞳径 3㎜
極限等級(限界等級)→ 約 11.0 等級(SQM-21.0)
視野直径約 3度

理科年表等によると、全天 11.0 等級 <、約 140万個
全天視野直径 ≒ 180度x2

よって、700,000 x (3/180)^2 ≒ 200 個

・・となります。

dd8-3.0.jpg


口径に関わらず、視野内平均星数は、ほぼ一定。
即ち情報量は、口径とほぼ無関係です。

一般光度式 ≒ 2.5log(光度比率)
光度差 ≒ 10^(光度比率/2.5)

1等級上がると、星数約 2.5 倍
0.5等級、星数約 1.6 倍( 2.5 ^0.5)


続く・・ (`・ω・´)

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http://hajimechan01.secret.jp/hosi.htm

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○ 天文ガイド5月号 ~ 屈折望遠鏡論(タカハシ) [望遠鏡・レンズ設計研磨]

IMGP4231s.jpg


天文ガイド・2020年5月号

タカハシFC-100。DZ
本編8ページ、別掲1ページ、合計9ページ、総力特集の感です。

基本モデルは、1981年3月頃から展開されており、蛍石が後面の
スタインハイル式・2枚玉アポクロマートです。100/800mm (F 8.0)



恐らく世界初の「 フォト・ビジュアル望遠 」のコンセプトで設計された
蛍石アポクロマート。FC-100

1981年4月号広告でのコピー
「1台の望遠鏡が2台の望遠鏡、2本の超望遠写真レンズに」
のコンセプトでの設計です。

(備考) 屈・折・革・命
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi2.5i.htm



最終モデル?とされる、最新DZは、初期型と比較して、球面収差が
より高度に補正されています。また、レデューサは4枚構成、0.66倍
スポットダイアグラムは、35フル周辺でも、小さく集光しています。

・高倍率眼視(ビジュアル)+ 高倍率撮影(フォト)
・レデューサ装着で、より明るい短焦点での撮影(フォト)

のコンセプトの満たす設計です。

星野撮影においては、大サイズの作例写真が掲載されており、
写真極限等級は、19等級後半とのこと。(総露出時間、48分)



2枚玉で、従来の3枚玉レベルの球面収差補正 ※ の理由は、
蛍石の相手玉に、高屈折ガラスを採用している事です。

通常ガラスと比較して、より高度な収差補正が期待出来ます。

補正レンズも同様で、高屈折ガラス使用で、優れた性能です。
(ガラスの種類によっては、価格変動リスクもあります。)



タカハシ FC-100 DZ
2019年10月に、デモ鏡筒の実視テストをする機会に恵まれました。

15cmバトル会場?のすぐ傍にて・・
300倍バトルで、かなりの高クオリティの結像を出しました。

詳細は、以下のページにて

○ 九州大観望会 ☆ 4 (タカハシ特集 etc)
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2019-10-12


IMGP3950ms.jpg

____________________________________________________________________



2枚玉で、従来の3枚玉レベルの球面収差補正 ※

100/800mm (F 8.0) スペックで、CdeF 4線において、TOA-130 並みの
集光性能を出す事が出来ます。眼視においては、充分な性能です。

星野撮影等の場合は、g線(紫)ハロも、2枚玉フラットナー使用で、
ほぼ完全な収差補正が出来ます。

(備考)10cm ・ 2枚玉 アポクロマート 設計
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi1.4x4.htm


fa100-toa130.jpg


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~屈折望遠鏡論

米オライオン etc、高性能・大口径反射が比較的安価で入手出来る現在でも、
アポクロマート屈折望遠鏡の需要は旺盛です。

屈折レンズの長所である、小型軽量、高い拡張度、質感 etc
が、とても際立ちます。



少々、レンズ設計サイトを公開している関係で、様々な屈折鏡筒ユーザーの
生の声が届きます。

多くの屈折望遠鏡ユーザー(マニア)が、タカハシ TOA-130 等を所有して
いるにも関わらず、やや小口径・軽量のアポクロマート屈折鏡筒を所望して
いる例が、意外にも多い事が判りました。

TOA、光学性能は良好ですが、極めて重量があり移動運用は厳しいです。

(気流の影響を受けやすい、温度順応時間が長い等の欠点も多い)



軽量タイプ「 眼視用高性能機 」

10~12cmクラスの軽量・眼視用鏡筒(2枚玉)
2枚玉で、充分に高性能な新鏡筒が、望まれています。

また、製造メーカーにとっても、調整コストが安く(歩留まりが高く)
品質管理が比較的楽な、2枚玉の方が望まれている様子です。

(販売単価、利益はやや安くなりますが・・)



望遠鏡の性能(中心分解能・解像力)は、ストレールレシオで明示出来ます。

3枚玉の場合、製品の実測値が、設計値から大きく乖離するリスクも高いです。
10cmF8クラスの場合、2枚玉と3枚玉のストレールレシオ差は5%程度。

研磨精度、組立調整如何で、逆転する事も少なくありません。



写真鏡と呼ばれる、より短焦点なアポクロマートの需要は、相変わらず高いです。
(ポータブル架台も同様です)

しかしながら、近年多くなった、M43(マイクロフォーサーズ、約 17x13mm )
CMOS素子対応の、Fがより明るくシャープな鏡筒は、それ程多くありません。

今後は、高性能スモールフォーマット対応鏡筒の充実が期待されます。



短焦点・アポクロマート望遠鏡が誕生したのが、1976年(五藤光学)
以後、40年強の系譜は、やや迷走してきた感はあります。

鏡筒のラインナップも、もう少しシンプルなのが良さそうです。
或いは、システム概念の進化。

次世代型の高性能アポクロマート(フォト・ビジュアル)の登場が
期待されます。



続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm

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○ 望遠鏡・光学設計、概論 (予稿 ☆2) [望遠鏡・レンズ設計研磨]

光学設計概論2.jpg


望遠鏡( 望遠レンズ etc )の光学設計・・

日本語の公開文献は、ほとんど存在しません。
工学設計のメジャー分野、即ち、電気回路設計、ソフトウェア設計 etc は、
大型書店等に行けば、数100冊の専門書があります。

・・が、望遠鏡( 望遠レンズ etc )の光学設計は、ほとんど無い状況です。

一応は、レンズ設計等を謳う専門書が、数冊程度ありますので、
最初に、設計指針(コンセプト)について、検証してみます。

まず、使用目的の確認から・・( → 仕様)



(例、マイユース・望遠鏡システム、 仕様例)

・眼視観望 → メシエ天体、彗星等 (概ね10等級<)
        中倍率・広角アイピース(瞳径 3mm 前後) 

・電子観望 → メシエ+NGC天体、彗星等 (概ね12等級<)
        微光星、15等級位まで。
 
非冷却CMOS ( 1/3 サイズ) 30秒動画 +snapshot(静止画)

(機動性)

電車移動可能(トラベル仕様) 通常は、庭観望 + 自家用車観望。

8cmF8 前後、屈折レンズ系 etc 


____________________________________________________________________


IMGP4124s.jpg


レンズ設計のメジャーな専門書。中川治平氏「 レンズ設計工学 」 ☆★

1~7ページ、レンズ設計・基本プロセス、の明瞭な解説があります。

1・仕様 (焦点距離、F値 etc)
   ↓
2・構成 (エレメント etc)
   ↓
3・性能 (解像度、分解能 etc)



光学性能判断は、収差補正等の数値も重要です。

望遠鏡( 望遠レンズ etc )の光学性能は、およそ以下の4点です。

・中心像(スポット直径) → 球面収差(軸上色収差)
・周辺像(スポット直径) → 軸外色収差、コマ収差、湾曲収差、非点収差
・周辺歪曲        → 歪曲収差
・F値

> 微光星、15等級位まで。
> 非冷却 CMOS、30秒動画


30秒露出で、15等級の恒星、及び12等級の星雲・彗星等を
有効に映し出す為には、およそ以下の条件が必要です。(口径8cm以下)

・ISO-1600 以上、ノイズが少ない。
・スポット直径、20μm 以下。
・F4以上の明るさ。



Fが暗いと、ノイズ除去システムの無い撮像素子では、運用が制限されます。
アンプノイズ。(Amp-glow、アンプグロー) etc

「 明るさは正義!」
・・の格言? が身に染みます。



☆ 望遠鏡 レンズ etc、光学設計&研磨
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi1.4.htm

多分、世界で唯一?の、レンズ系・自作(設計+研磨+運用)総合サイトです。

実践的な、設計 etc 情報まとめ等はこちら

https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/archive/201906-1
https://hajimechan01.blog.fc2.com/blog-date-201702.html
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続く・・ (`・ω・´)

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○ ATM ☆ 3  特別編 (木辺成麿氏2)+ [望遠鏡・レンズ設計研磨]

IMGP4227s.jpg


ATM (Amateur Telescope Making)

~アマチュア天文家による、望遠鏡の自作

日本でも、モノつくり大国と呼ばれた、昭和50年代前後は
望遠鏡の自作が盛んでした。(自作がメジャーな存在でした)

日本のアマチュア天文家による、本格的な望遠鏡の自作。
その歴史を調べると、随分と昔からの様子です。

本格的なレンズ自作(屈折望遠鏡)は、戦後になってからの様子です。



鏡面・レンズ研磨の大家、木辺成麿氏の著作、「反射望遠鏡の作り方」

書籍名は、「反射望遠鏡の作り方」 ではありますが・・
昭和25年初版( 昭和29年 改版 )においては、約10ページに及ぶ
8cmF15、アクロマートレンズの、設計+研磨、光学検査等の詳細な
情報が、余すことなく記載されています。

モノと情報が極めて少ない筈の、敗戦後・昭和20年代において、
本当に素晴らしい内容です。



当時の、8cm屈折レンズは、まさに垂涎の的の存在でした。 

どれだけのアマチュア天文家が、レンズ設計+研磨にトライしたのか?
興味があります。

同著の記載は、ニュートン反射の設計・研磨から始まり、カセグレン系の
設計・研磨、更には、シュミット光学系の設計・研磨にも及び、
時代を超越した、極めて貴重な文献となっています。


____________________________________________________________________


IMGP4141s.jpg


○ 木辺成麿氏、「反射望遠鏡の作り方」 (誠文堂新光社)

旧版は、昭和25年~42年頃迄
新版は、昭和43~50年代前半頃迄 (内容は、旧版とほぼ同じ)

戦後のアマチュア向け望遠鏡自作の文献として、極めて重要なものです。



目次 ( 昭和29年 改版 )


第1章、望遠鏡の基礎知識
第2章、望遠鏡の選択
第3章、凹面鏡の作り方(前半)
第4章、凹面鏡の作り方(後半)
第5章、斜鏡及び付属品
第6章、マウンティング(西村繁次郎)
第7章、天体観測
第8章、経験者のために
第9章、特殊面の製作
第10章、望遠鏡の発達史
結び

第9章、特殊面の製作、細目
(1) 平面
(2) カセグレン
(3) 諸種の試験法
(4) 対物レンズ
(5) その他特殊品



「反射望遠鏡の作り方」
・・のタイトルを超えて、望遠鏡の総合技術書的な内容です。

昭和時代、屈折・対物レンズの自作(設計・研磨双方)に関しては、
日本国内において、ほとんど唯一の文献です。

メインのニュートン式反射望遠鏡に関しては、入門者、経験者、それぞれに
向けて、詳細な解説が為されています。

写真用望遠鏡等にも言及されており、後の天体写真ブーム
を予測したような記述は、時代を超えた先見性を感じさせます。

その他、望遠鏡の歴史の解説等も素晴らしいです。



また、光学技術論を超越し、思想・藝術論的な領域まで踏み込んだ所は、
浄土真宗・真宗木辺派の門主らしいところでしょう・・

鏡面研磨を、古えの刻師が仏像を刻む事に例える等、
次元を超えた、孤高?の専門書です。


____________________________________________________________________


(追伸)

昭和54年には、大口径反射望遠鏡の自作者向けに、
誠文堂新光社から、「 本格派のための反射望遠鏡の製作」(天文ガイド編)
が刊行されています。

著者は、木辺成麿氏の後継者、苗村敬夫氏等、8人が記載されています。

20cmクラスの反射(ニュートン+ドールカーカム)光学系研磨
及び赤道儀(本体+駆動部、電子回路等)etc

特筆すべきは、当時としては最先端の、自動追尾(ロボットガイド)
が載っているところでしょう・・

屈折・対物レンズの自作はありません。



令和の現在・・

レンズ系の自作サイトは、弊サイトのみの様子です。

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