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○ 彗星 (観測)ガイドライン ☆1 [彗星・小惑星・超新星等]

13278m.jpg


2013年、パンスターズ彗星( C/2011 L4 )の接近時、
彗星 (観測)ガイドライン(案)を公開しましたが・・

http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/comet02.htm

現在、google で、彗星、ガイドライン、で検索すると、
上記の弊サイトが、TOPになる事が多い模様です。
(´・ω・`) ショボーン


後世に、科学的に正しい記録(画像データ、数値データ etc)を
残す為に、ある程度のガイドラインが必要と思われます。

> ○ 彗星・記録写真の基本事項 
>
> 本来の記録写真(観測写真)は、出来るだけ元画像情報を毀損しないのが基本です。
> 画像処理を過剰に行えば行う程、元画像情報からかけ離れたモノ、
> 即ちイラストレーションとなります。
>
> 眼視観測との整合性を考慮に入れれば、コンポジットなしの美しい1枚撮りが望まれます。
> 継続性の原則 (基準) に従い、統一機材・統一条件で、
> 長期の比較が出来ることが望ましいです。

(2013年~公開)


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pan0513aa2.jpg


パンスターズ彗星( C/2017 T2 )
https://www.astroarts.co.jp/photo-gallery/special/539

続々と、画像が掲載されていますが・・
多くの画像は、エンタメ性を狙った過剰処理画像です。


そもそも、パンスターズ彗星( C/2017 T2 )は、8~9等級の
平凡な明るさの彗星で、多くの画像(写真)に見られる過剰な明るさ、
派手さはありません。

(備考) http://astro.vanbuitenen.nl/comet/2017T2

5月13日の写真において、近隣の6等星よりも、約 2等級暗いのが
学術的、科学的に正しい姿です。

撮像は、データエラー(ノイズ etc)チェック、新天体チェック等含め、
4枚+ 程度で、充分事足りるはずです。※


エンタメ性を狙った過剰処理画像とは・・

過剰なコンポジット → 過剰なトーンカーブ・レベル調整 etc
現実離れした、派手な画像を指します。
現実離れした画像が、ネット上に大量に出回り、後世に残る事は、
あまりよろしくないと思われます。

とはいえ、派手派手な画像処理を好む人が、多数存在する事も現実です。
速やかな・・

学術的(科学的)記録写真 ☆ 、エンタメ処理画像、
の区分を希望します。


※ 4枚コンポジットで、粒子 1/2 程度。

口径、5~8cm、露出30秒1枚画像、極限等級 15等強。 (sony-IMX 224 等)
口径、50~60cm、眼視に相当。



続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm

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○ PNG、Fits 画像データ比較 ( パンスターズ彗星 ) [彗星・小惑星・超新星等]

pan-0513-900.jpg


アトラス彗星(C/2019 Y1)
スワン彗星( C/2020 F8 )

近日点通過を待たずに、次々と減光してしまいましたが・・



パンスターズ彗星( C/2017 T2 )

近日点通過の4月21日以後も、少しずつ増光&ダストテイルが顕著
になりつつあります。

5月13日現在で、光度8等級弱、ダストテイル30分程度。
小口径でも、眼視で尾が確認出来ました。

さて、パンスターズ彗星、PNG、Fits ※ 画像データ比較

PNG.File (上)

○ SharpCap Capture
http://www.sharpcap.co.uk/sharpcap/downloads

Fits.File (下)

○ すばる画像解析ソフト -Makali`i
https://makalii.mtk.nao.ac.jp/index.html.ja

Makali`i 、FITS 標準カラー処理。
30秒・1枚画像。 (SharpCap Captures 3.0、FITS )
2020/05/13


pan-5000-65000.jpg

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SharpCap Captures、~ すばる Makali`i
親和性は高く、Fits 画像データ ※ を、容易に活用出来ます。

質感の再現性においても、PNG.Fits.共に良い感じです。



1枚目・PNG、記録画像としては、データも充分と思われます。
撮像データは、別ファイル(text.File) が自動保存されます。

2枚目・Fits、記録画像として、多岐に渡る解析が可能です。
カラー画像、RGB.第 1-2-3 プレーン。

画像データの詳細は、FITS へッダーに記録されます。
カメラ本体、1次画像ソフトの撮像記録も、一部表記されます。

レベル調整、対数現像 etc オプションも豊富です。

以上、撮像ステージにおいて、PNG.Fits.ファイル
双方取得した方が良さそうです。



SharpCap Captures 3.0
4種類程のFits 画像データを選択出来ます。

すばる Makali`iも、様々な応用機序が存在する様子です。

※ 最終的に、JPEG.File に変換します。



電子観望 ( 電子観測 ) データ

SQM - 21.0 mag/s2 前後、福岡県・八女星野

80 / 640 → 225 ㎜ (F 2.8 )  新型・アクロマート (自作レンズ)
露出時間 30 秒、 1枚 画像。 画像処理は特になし。

リアルタイム映像 snapshot。fits.file
Gain ≒ 430 (ISO-3500 相当) 

極限等級、約 15.5 等



続く・・ (`・ω・´)

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http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm

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○ 天体写真・ガイドライン(管理&解析ソフト)☆2 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]

pan-2020.0513-makari.jpg


○ 天体写真・ガイドライン(案)☆1
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2020-05-08

・・の続きです。

自然科学写真(天体写真)は、真実性の提示・再現が、とても重要です。
即ち、科学的(物理的)再現性です。

科学的根拠 ( Scientific evidence ) が、明瞭か否か。
科学的再現性を、定量的に提示出来るか? etc

~ 撮影時間、その他物理的データ等。

これらが重要と考えます。



天体撮像・管理&解析ソフトは、以下の2つがメジャー?
と思われます。

○ SharpCap Capture
http://www.sharpcap.co.uk/sharpcap/downloads/

○ すばる画像解析ソフト -Makali`i
https://makalii.mtk.nao.ac.jp/index.html

Makali`iの主な機能:

◇ 測光(天体の明るさを調べる)
◇ 測位、重心検出(天体の位置を調べる)
◇ 分光(グラフ描画)

その他、ダーク、フラット、基本処理 etc



SharpCap Capture、~ Makali`i
親和性は高く、Fits 画像データ ※ を、便利に活用出来ます。

それぞれにおいて、天体撮像・管理&解析が、多岐に渡り可能です。


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※ Fits 画像データ

SharpCap Capture
は、4種類程のFits.file 、画像データを選択出来ます。

また、-Makali`i も、複数のFits.file、画像データ(カラー&白黒)
を選択出来ます。

質感の再現性においても、PNG.Fits.共に良い感じです。



上記画像は、パンスターズ彗星( C/2017 T2 ) 2020/05/13

すばる画像解析ソフト -Makali`i 、FITS 標準カラー処理。
30秒・1枚画像。 (SharpCap Capture 3.0、FITS )

画像データの詳細は、FITS へッダーに記録されます。
カメラ本体、1次画像ソフトの撮像記録も、一部表記されます。



続く・・ (`・ω・´)

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○ 天体写真・ガイドライン(案) ☆1 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]

天体写真ガイドライン.jpg


某・天文系雑誌の最新号の写真?に関し、各サイト等で、
いろいろな意見を拝見しました。画像処理論 etc

デジタル写真時代となってから、もう20年以上・・
途上にて、黒い太陽騒動等 ※、いろいろありました。 

自然科学を否定するモノに対し、明確な区別の基準等、或いは、
天体写真・ガイドラインが必要でしょう。



自然科学写真(天体写真)は、真実性の提示・再現が、とても重要です。
即ち、科学的(物理的)再現性です。

そこに恣意的な情報が混じると、やはり拙いと思われます。
即ち「コピペ」、AI etc の特殊画像処理です。

科学的根拠 ( Scientific evidence ) が明瞭か否か。
科学的再現性を定量的に提示出来るか? etc

~ 撮影時間、その他物理的データ等。

これらが重要と考えます。



とりあえず、天体写真系の画像を

・記録写真 (ナチュラル) 
・学術研究写真
・鑑賞写真 (アン・ナチュラル)

3種に区分します。



・記録写真 (ナチュラル) → 科学的根拠が明瞭 (眼視に近い) ≒ 観測写真。

カラー → png / fits 1枚撮り (背景ニュートラルグレー近似、ガンマ1.0 前後)
     ( 画像処理は特になし )

白黒  → fits1枚撮り (ガンマ1.0 前後、画像処理は特になし)

処理ソフトウェアのデータも必要。SharpCap Capture、 Makari 等



・学術研究写真 → 科学的根拠 ( Scientific evidence ) が判別  ≒ 観測写真。

ダーク、フラット + レベル調整(ガンマ)
コンポジット(スタック) ※

その他、干渉フィルター等装着 etc (外部物理的処理)

学術研究の目的、物理変換量等の判別が必要。

処理ソフトウェアのデータも必要。SharpCap Capture 等
(※ 撮影時間は、同夜のみが望ましい)



・鑑賞写真 (アン・ナチュラル) → 科学的根拠が不明瞭。

基本何でもあり、「コピペ」 OK  (天体イラスト)


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m13c-900s.jpg


上記画像 (M13)

○ SharpCap Captures
http://www.sharpcap.co.uk/sharpcap/downloads/

処理ソフトウェア詳細データは、メーカーが保有していると思われますが・・



※ 基礎データ調整 (1枚画像、画像処理は特になし)

取りあえず、ナチュラル調整が宜しいと思われます。

撮影時間の表示(1枚画像)
ガンマ 1.0 前後(50)
White Bal(R)(B) → 背景ニュートラルグレー近似(png ファイル)

なお、fits ファイル画像変換もワンクリック+です。



上記画像の元データは、text ファイルに保存されています。

[ZWO ASI224MC]
Pan=0
Tilt=0
Output Format=PNG files (*.png)
Binning=1
Capture Area=1304x976
Colour Space=RGB24
Temperature=13.8
Hardware Binning=Off
High Speed Mode=Off
Turbo USB=80(Auto)
Flip=None
Frame Rate Limit=Maximum
Gain=434
Exposure=30
Timestamp Frames=On
White Bal (B)=85
White Bal (R)=70
Brightness=120
Gamma=50
Auto Exp Max Gain=300
Auto Exp Max Exp M S=30000
Auto Exp Target Brightness=100
Mono Bin=Off
Apply Flat=None
Subtract Dark=None
Display Brightness=1
Display Contrast=1
Display Gamma=1
TimeStamp=2020-04-28T15:00:46.0374383Z


zwo-224s.jpg


(個別データ)

М13 (ヘルクレス座)
SQM - 21.0 mag/s2 前後、福岡県・八女星野

80 / 640 → 225 ㎜ (F 2.8 )  新型・アクロマート (自作レンズ)
露出時間 30 秒、 1枚 画像。 画像処理は特になし。 リアルタイム映像 snapshot。
Gain ≒ 430 (ISO-3500 相当)


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※ 黒い太陽について・・
https://www.astroarts.co.jp/news/2010/10/20image_issue/index-j.shtml

> ● 天体写真を楽しむために
>
> 残された我々は一連の事件から何を教訓とすべきでしょう。
> 事件発覚直後の「星ナビ」2009年11月号より「星ナビギャラリー」の作品募集要項に
>「オリジナルデータの提出を求める場合がある」「撮影データに重大な誤りがあった
> 場合は、掲載を取り消す場合がある」ことを追記しました。
>
>「星ナビ」2010年1月号では「デジタル天体写真再考」と題し、
> 事件によって喚起された画像処理モラルを問う対談記事を企画しました。


「星ナビ」2017年9月号
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/9288_hoshinavi

「星ナビ」2020年2月号
https://www.astroarts.co.jp/article/hl/a/11029_hoshinavi



「天文ガイド」2020年6月号
https://www.seibundo-shinkosha.net/magazine/astronomy/42360/


「コピペ」推奨? 等、いろいろと考えさせられる内容です。



天文系雑誌のフォト・コンテスト等においても

・記録写真 (ナチュラル)
・学術研究写真
・鑑賞写真 (アン・ナチュラル)

3種に区分した方が良いかもしれません。

更には、眼視スケッチ部門 (眼視観測) 等の追加も・・



続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm

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○ 天文ガイド5月号 ~ 屈折望遠鏡論(タカハシ) [望遠鏡・レンズ設計研磨]

IMGP4231s.jpg


天文ガイド・2020年5月号

タカハシFC-100。DZ
本編8ページ、別掲1ページ、合計9ページ、総力特集の感です。

基本モデルは、1981年3月頃から展開されており、蛍石が後面の
スタインハイル式・2枚玉アポクロマートです。100/800mm (F 8.0)



恐らく世界初の「 フォト・ビジュアル望遠 」のコンセプトで設計された
蛍石アポクロマート。FC-100

1981年4月号広告でのコピー
「1台の望遠鏡が2台の望遠鏡、2本の超望遠写真レンズに」
のコンセプトでの設計です。

(備考) 屈・折・革・命
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi2.5i.htm



最終モデル?とされる、最新DZは、初期型と比較して、球面収差が
より高度に補正されています。また、レデューサは4枚構成、0.66倍
スポットダイアグラムは、35フル周辺でも、小さく集光しています。

・高倍率眼視(ビジュアル)+ 高倍率撮影(フォト)
・レデューサ装着で、より明るい短焦点での撮影(フォト)

のコンセプトの満たす設計です。

星野撮影においては、大サイズの作例写真が掲載されており、
写真極限等級は、19等級後半とのこと。(総露出時間、48分)



2枚玉で、従来の3枚玉レベルの球面収差補正 ※ の理由は、
蛍石の相手玉に、高屈折ガラスを採用している事です。

通常ガラスと比較して、より高度な収差補正が期待出来ます。

補正レンズも同様で、高屈折ガラス使用で、優れた性能です。
(ガラスの種類によっては、価格変動リスクもあります。)



タカハシ FC-100 DZ
2019年10月に、デモ鏡筒の実視テストをする機会に恵まれました。

15cmバトル会場?のすぐ傍にて・・
300倍バトルで、かなりの高クオリティの結像を出しました。

詳細は、以下のページにて

○ 九州大観望会 ☆ 4 (タカハシ特集 etc)
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2019-10-12


IMGP3950ms.jpg

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2枚玉で、従来の3枚玉レベルの球面収差補正 ※

100/800mm (F 8.0) スペックで、CdeF 4線において、TOA-130 並みの
集光性能を出す事が出来ます。眼視においては、充分な性能です。

星野撮影等の場合は、g線(紫)ハロも、2枚玉フラットナー使用で、
ほぼ完全な収差補正が出来ます。

(備考)10cm ・ 2枚玉 アポクロマート 設計
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi1.4x4.htm


fa100-toa130.jpg


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~屈折望遠鏡論

米オライオン etc、高性能・大口径反射が比較的安価で入手出来る現在でも、
アポクロマート屈折望遠鏡の需要は旺盛です。

屈折レンズの長所である、小型軽量、高い拡張度、質感 etc
が、とても際立ちます。



少々、レンズ設計サイトを公開している関係で、様々な屈折鏡筒ユーザーの
生の声が届きます。

多くの屈折望遠鏡ユーザー(マニア)が、タカハシ TOA-130 等を所有して
いるにも関わらず、やや小口径・軽量のアポクロマート屈折鏡筒を所望して
いる例が、意外にも多い事が判りました。

TOA、光学性能は良好ですが、極めて重量があり移動運用は厳しいです。

(気流の影響を受けやすい、温度順応時間が長い等の欠点も多い)



軽量タイプ「 眼視用高性能機 」

10~12cmクラスの軽量・眼視用鏡筒(2枚玉)
2枚玉で、充分に高性能な新鏡筒が、望まれています。

また、製造メーカーにとっても、調整コストが安く(歩留まりが高く)
品質管理が比較的楽な、2枚玉の方が望まれている様子です。

(販売単価、利益はやや安くなりますが・・)



望遠鏡の性能(中心分解能・解像力)は、ストレールレシオで明示出来ます。

3枚玉の場合、製品の実測値が、設計値から大きく乖離するリスクも高いです。
10cmF8クラスの場合、2枚玉と3枚玉のストレールレシオ差は5%程度。

研磨精度、組立調整如何で、逆転する事も少なくありません。



写真鏡と呼ばれる、より短焦点なアポクロマートの需要は、相変わらず高いです。
(ポータブル架台も同様です)

しかしながら、近年多くなった、M43(マイクロフォーサーズ、約 17x13mm )
CMOS素子対応の、Fがより明るくシャープな鏡筒は、それ程多くありません。

今後は、高性能スモールフォーマット対応鏡筒の充実が期待されます。



短焦点・アポクロマート望遠鏡が誕生したのが、1976年(五藤光学)
以後、40年強の系譜は、やや迷走してきた感はあります。

鏡筒のラインナップも、もう少しシンプルなのが良さそうです。
或いは、システム概念の進化。

次世代型の高性能アポクロマート(フォト・ビジュアル)の登場が
期待されます。



続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm

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