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○ 佐賀県立・宇宙科学館、天文祭 2022 ☆1 [星祭り・イベント等]

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伝統の星まつり・・

佐賀県立・宇宙科学館(ゆめぎんが)、第14回 天文祭 2022 ☆★

12月10日(土)開催されました。
https://www.yumeginga.jp/330_observatory/observatory_starfes2022.html

協力:
「スターパーティ in 白木峰 」実行委員会
八女星野・星の文化館天文クラブ ティコ etc

記念すべき、第1回・天文祭 2009 から、14回連続開催です!


今年は、かなり怪しい天気予報でしたが・・

当日は天気に恵まれて、土星・木星・火星、その他星団、重星 etc が
美しく眺められました。 気流(seeing)4-5/10 前後。

場所は、第二駐車場 (科学館正面) での開催でした。
(路面が安定しており、好評でした)

約 15台の、特製の望遠鏡等が沢山並び、壮観でした。
スタッフ20名+、お客さま100名+ で賑わいました。


IMGP8851mf.jpg

自作望遠鏡、

15㎝F12(fl.1800mm) 超長焦点ニュートン
13㎝F5(fl.650mm)  短焦点ニュートン
8㎝F5(fl.400mm)   短焦点ニュートン

一般望遠鏡

タカハシ FSQ-85
タカハシ μ-210

笠井、NINJA-400
BLANCA-125 SED
EV-scope 110mm
etc

沢山の望遠鏡、双眼鏡等が揃い、一般からマニア迄、参加者全員
で楽しめるような、豪華布陣でした。

特に、自作望遠鏡群は、マニア垂涎仕様? な感じでした。

2年前は、電子観望スタイルが数多かったものの・・
(昨年は雨天)

今年は、大半がクラシックな眼視観望に戻り、伝統的なスタイル
を楽しめ、ギャラリーからも好評だった模様です ※1


自作望遠鏡で特筆すべきは、15㎝F12(fl.1800mm)純ニュートン。
超長焦点仕様、鏡面も自作研磨です。

惑星スペシャル的な様相。高倍率眼視・シャープス特化の光学系は、
眼の肥えたベテラン観測者を唸らせる結像でした。

超長鏡筒を支える、タカハシ EM-200 の堅牢さも見事でした。


IMGP8846ms.jpg


小口径・アポクロマートの活躍も見られました。
特に、タカハシFSQ-85+エクステンダー+古典的アイピース。

スペシャル・ラムスデン等、比類なきシャープネスで、こちらも
眼の肥えたベテラン観測者を唸らせる結像でした。


また、短焦点ニュートン+バローレンズ+古典的アイピース
の結像も、かなり良好な事が判別しました。

超広角アイピースからの回帰が、新しいムーブメントになるかも
知れません・・( 来年以降はどうなる? )


※1
ここ数年の、星祭り電子化ムーブメントに関し、いろいろ議論も
ありましたが、伝統的な眼視スタイルの方が、ナマの臨場感が
あるとの感想が多い感触でした。


続く・・ (`・ω・´)  

☆ 星の便利帳
http://hajimechan01.secret.jp/hosi.htm

☆ はじめちゃん@望遠鏡工房 twi ★
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〇 宮本幸男 氏・望遠鏡遺産 (ライトシュミット) ☆1 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]

宮本幸男 氏 (1921-2015)

1970年代、天文・宇宙ブーム、自作望遠鏡ブームが
華やかだった頃、九州・熊本のハイアマチュア(ATM作家)
として、全国的に有名でした。

短焦点反射(ニュートン)が、数多く自作された時代・・

宮本氏が自作された、125/ 540mm ライトシュミット望遠鏡は
その完成度の高さから、天文雑誌等に数多く紹介され、
撮影された数々の対象は、フォトコンを賑わせました。


2022.11 現在、清和高原天文台に展示されています。

○ 清和高原・天文台
http://astroseiwa.com/stay


IMGP8560ms.jpg


ライトシュミット望遠鏡
ニュートン反射との違いは、広視野の実効イメージサークル。

F4クラスのニュートン反射の場合、コマ収差の増大で、
撮像素子(フィルム)上で、およそ10mm 程度。

当時の35mmフルサイズ、中心付近の僅かの部分しか使えない
状態でした ※1

宮本氏のライトシュミット望遠鏡は、35mmフルサイズの
ほぼ全面に渡る、ピンポイントの像質でした。


木製の鏡筒(サイズ、約 750 x200x200 mm)には、
精密な接眼部が取り付けられています。

通常の光軸、および精密なスケアリング調整がされた様子です。
(ファインダーは、タカハシの25mm? です。)


IMGP8569ms.jpg


ライトシュミット望遠鏡、
一番の難易度は、そのシュミット補正板の自作でした。

高次非球面(4次近似)の設計は、極めて複雑でしたが、
宮本氏は独自に手計算!され、更に補正板、主鏡、共に自作研磨、
光軸調整迄、独自でシステムを完成されました。

清和高原天文台には、その研究・計算ノートも展示されています。

ライトシュミット望遠鏡を独自で完成されたハイアマチュアは
全国でも数える程しか居ないほど、困難なものでした。

各望遠鏡メーカーも、その大半が開発を断念しています。


反射系・写真鏡筒(アストロカメラ)の開発において・・

タカハシの光学設計者、秦氏は3日程、熊本に滞在し、
宮本氏から、シュミットカメラの設計情報等を得たとの事です。

1980年代初頭の出来事です。※2


※1
純・ニュートン反射のコマ収差補正の研究が進んだのは、
およそ1990年代以降からです。

2000年代~、各社から、高性能フラットナー等が発売されます。

2022年現在では、高解像・小サイズCMOSも普及し、純ニュートン
+補正レンズが、星雲星団・彗星等の撮像において、再び
メインストリームになりつつあります。

放物面鏡よりも、計算された双曲面鏡の方が、コマ収差等の補正
において、有利となります(タカハシ・イプシロンε 等)


なお学術レベルにおいて、コマ収差補正レンズの論文は、
約 100年前まで遡れます。

詳細は、吉田正太郎氏の著作等に記載されています。


※2
1980年代初頭
フローライトF8シリーズの発売後、明るい反射系アストロカメラ
の開発に取り組んだ、タカハシ秦氏。

先ずは、性能評価の定着しているシュミットカメラを作るという
手段があるのではないか?、という事で、シュミット光学系への
方向転換を図ったとの事。

その後開発調査のため、シュミットの研究で知られ、豊富な理論と
経験を持つ、熊本の宮本氏に会った事が記されています。

○ 星宴・2019-SP2、九州とタカハシの深い関係?
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2019-11-03


(参考文献)

○ 反射望遠鏡光学(吉田正太郎氏)
https://www.seibundo-shinkosha.net/book/astronomy/65677/

○ 熊本県民天文台 ( 1997.10 etc )
http://www.kcao.jp/hosikuzu/hosikuzu.html

○ すたくま氏、動画 etc
https://twitter.com/StarofKuma1/status/1530582523519983616
https://www.youtube.com/watch?v=Npeeqoo4heg&feature=youtu.be



続く・・ (`・ω・´)  

☆ 星の便利帳
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