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○ 望遠鏡・光学設計、概論 (予稿 ☆2) [望遠鏡・レンズ設計研磨]

光学設計概論2.jpg


望遠鏡( 望遠レンズ etc )の光学設計・・

日本語の公開文献は、ほとんど存在しません。
工学設計のメジャー分野、即ち、電気回路設計、ソフトウェア設計 etc は、
大型書店等に行けば、数100冊の専門書があります。

・・が、望遠鏡( 望遠レンズ etc )の光学設計は、ほとんど無い状況です。

一応は、レンズ設計等を謳う専門書が、数冊程度ありますので、
最初に、設計指針(コンセプト)について、検証してみます。

まず、使用目的の確認から・・( → 仕様)



(例、マイユース・望遠鏡システム、 仕様例)

・眼視観望 → メシエ天体、彗星等 (概ね10等級<)
        中倍率・広角アイピース(瞳径 3mm 前後) 

・電子観望 → メシエ+NGC天体、彗星等 (概ね12等級<)
        微光星、15等級位まで。
 
非冷却CMOS ( 1/3 サイズ) 30秒動画 +snapshot(静止画)

(機動性)

電車移動可能(トラベル仕様) 通常は、庭観望 + 自家用車観望。

8cmF8 前後、屈折レンズ系 etc 


____________________________________________________________________


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レンズ設計のメジャーな専門書。中川治平氏「 レンズ設計工学 」 ☆★

1~7ページ、レンズ設計・基本プロセス、の明瞭な解説があります。

1・仕様 (焦点距離、F値 etc)
   ↓
2・構成 (エレメント etc)
   ↓
3・性能 (解像度、分解能 etc)



光学性能判断は、収差補正等の数値も重要です。

望遠鏡( 望遠レンズ etc )の光学性能は、およそ以下の4点です。

・中心像(スポット直径) → 球面収差(軸上色収差)
・周辺像(スポット直径) → 軸外色収差、コマ収差、湾曲収差、非点収差
・周辺歪曲        → 歪曲収差
・F値

> 微光星、15等級位まで。
> 非冷却 CMOS、30秒動画


30秒露出で、15等級の恒星、及び12等級の星雲・彗星等を
有効に映し出す為には、およそ以下の条件が必要です。(口径8cm以下)

・ISO-1600 以上、ノイズが少ない。
・スポット直径、20μm 以下。
・F4以上の明るさ。



Fが暗いと、ノイズ除去システムの無い撮像素子では、運用が制限されます。
アンプノイズ。(Amp-glow、アンプグロー) etc

「 明るさは正義!」
・・の格言? が身に染みます。



☆ 望遠鏡 レンズ etc、光学設計&研磨
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi1.4.htm

多分、世界で唯一?の、レンズ系・自作(設計+研磨+運用)総合サイトです。

実践的な、設計 etc 情報まとめ等はこちら

https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/archive/201906-1
https://hajimechan01.blog.fc2.com/blog-date-201702.html
https://hajimechan01.blog.fc2.com/blog-entry-8.html



続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm
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○ ATM ☆ 3  特別編 (木辺成麿氏2)+ [望遠鏡・レンズ設計研磨]

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ATM (Amateur Telescope Making)

~アマチュア天文家による、望遠鏡の自作

日本でも、モノつくり大国と呼ばれた、昭和50年代前後は
望遠鏡の自作が盛んでした。(自作がメジャーな存在でした)

日本のアマチュア天文家による、本格的な望遠鏡の自作。
その歴史を調べると、随分と昔からの様子です。

本格的なレンズ自作(屈折望遠鏡)は、戦後になってからの様子です。



鏡面・レンズ研磨の大家、木辺成麿氏の著作、「反射望遠鏡の作り方」

書籍名は、「反射望遠鏡の作り方」 ではありますが・・
昭和25年初版( 昭和29年 改版 )においては、約10ページに及ぶ
8cmF15、アクロマートレンズの、設計+研磨、光学検査等の詳細な
情報が、余すことなく記載されています。

モノと情報が極めて少ない筈の、敗戦後・昭和20年代において、
本当に素晴らしい内容です。



当時の、8cm屈折レンズは、まさに垂涎の的の存在でした。 

どれだけのアマチュア天文家が、レンズ設計+研磨にトライしたのか?
興味があります。

同著の記載は、ニュートン反射の設計・研磨から始まり、カセグレン系の
設計・研磨、更には、シュミット光学系の設計・研磨にも及び、
時代を超越した、極めて貴重な文献となっています。


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○ 木辺成麿氏、「反射望遠鏡の作り方」 (誠文堂新光社)

旧版は、昭和25年~42年頃迄
新版は、昭和43~50年代前半頃迄 (内容は、旧版とほぼ同じ)

戦後のアマチュア向け望遠鏡自作の文献として、極めて重要なものです。



目次 ( 昭和29年 改版 )


第1章、望遠鏡の基礎知識
第2章、望遠鏡の選択
第3章、凹面鏡の作り方(前半)
第4章、凹面鏡の作り方(後半)
第5章、斜鏡及び付属品
第6章、マウンティング(西村繁次郎)
第7章、天体観測
第8章、経験者のために
第9章、特殊面の製作
第10章、望遠鏡の発達史
結び

第9章、特殊面の製作、細目
(1) 平面
(2) カセグレン
(3) 諸種の試験法
(4) 対物レンズ
(5) その他特殊品



「反射望遠鏡の作り方」
・・のタイトルを超えて、望遠鏡の総合技術書的な内容です。

昭和時代、屈折・対物レンズの自作(設計・研磨双方)に関しては、
日本国内において、ほとんど唯一の文献です。

メインのニュートン式反射望遠鏡に関しては、入門者、経験者、それぞれに
向けて、詳細な解説が為されています。

写真用望遠鏡等にも言及されており、後の天体写真ブーム
を予測したような記述は、時代を超えた先見性を感じさせます。

その他、望遠鏡の歴史の解説等も素晴らしいです。



また、光学技術論を超越し、思想・藝術論的な領域まで踏み込んだ所は、
浄土真宗・真宗木辺派の門主らしいところでしょう・・

鏡面研磨を、古えの刻師が仏像を刻む事に例える等、
次元を超えた、孤高?の専門書です。


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(追伸)

昭和54年には、大口径反射望遠鏡の自作者向けに、
誠文堂新光社から、「 本格派のための反射望遠鏡の製作」(天文ガイド編)
が刊行されています。

著者は、木辺成麿氏の後継者、苗村敬夫氏等、8人が記載されています。

20cmクラスの反射(ニュートン+ドールカーカム)光学系研磨
及び赤道儀(本体+駆動部、電子回路等)etc

特筆すべきは、当時としては最先端の、自動追尾(ロボットガイド)
が載っているところでしょう・・

屈折・対物レンズの自作はありません。



令和の現在・・

レンズ系の自作サイトは、弊サイトのみの様子です。

☆ 望遠鏡 レンズ etc、光学設計&研磨
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi1.4.htm

多分、世界で唯一?の、レンズ系・自作(設計+研磨+運用)総合サイトです。

実践的な、設計 etc 情報まとめ等はこちら

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続く・・ (`・ω・´)

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○ スバル金星・大接近 (電子観望) [電子観望観測(星雲星団彗星)]

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スバル金星・大接近、2020.0404

見応えがありました。
光度差は、100倍以上ありましたが、意外に調和がとれた趣でした。

80 / 640 → 225 ㎜ (F 2.8 )  
新型・アクロマート (自作レンズ)

露出時間 2 秒、1枚 画像。 画像処理は特になし。
print-screen 画像(RGB24-jpeg)
Gain ≒ 300 (ISO-800 相当) 

SQM - 19.0 mag/s2 前後



続く・・ (`・ω・´)

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