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○ ATM ☆ 2  特別編 (木辺成麿氏1) [望遠鏡・レンズ設計研磨]

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ATM (Amateur Telescope Making)

~アマチュア天文家による、望遠鏡の自作

モノ造り大国・アメリカ。
自作望遠鏡への情熱は、2020年代、今でも素晴らしくアツい様子です。

○ クラウディ・ナイト ATM
https://www.cloudynights.com/forum/70-atm-optics-and-diy-forum/



日本でも、モノつくり大国と呼ばれた、1970~1980年代は
望遠鏡の自作が盛んでした。(自作がメジャーな存在でした)

さて、日本のアマチュア天文家による、本格的な望遠鏡の自作。
その歴史を調べると、随分と昔からの様子です。

本格的なレンズ自作(屈折望遠鏡)は、戦後になってからの様子です。



鏡面・レンズ研磨の大家、木辺成麿氏の著作、「反射望遠鏡の作り方」

書籍名は、「反射望遠鏡の作り方」 ではありますが・・

昭和25年初版( 昭和29年 改版 )においては、約10ページに及ぶ
8cmF15、アクロマートレンズの、設計+研磨、光学検査等の詳細な
情報が、余すことなく記載されています。

モノと情報が極めて少ない筈の、敗戦後・昭和20年代において、
本当に素晴らしい内容です。



当時の、8cm屈折レンズは、まさに垂涎の的の存在でした。※ 

どれだけのアマチュア天文家が、レンズ設計+研磨にトライしたのか?
興味があります。

同著の記載は、ニュートン反射の設計・研磨から始まり、カセグレン系の
設計・研磨、更には、シュミット光学系の設計・研磨にも及び、
時代を超越した、極めて貴重な文献となっています。

更には、写真用望遠鏡等にも言及されており、後の天体写真ブーム
を予測したような記述は、時代を超えた先見性を感じさせます。



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※ 戦後、昭和20年代。

極端なモノ不足の時代、8cmアクロマート屈折・赤道儀の存在は、
宝石にように輝かしいものだったと推測されます。

(昭和 30年、1955年時点でも、現在価格換算・150万円位)

恐らく、アマチュア天文家の購入はごく少なく、
大半は、理科教育振興法(昭和28年制定)における、高校~大学等の
理科教材としての購入だったと思われます。

(参考) 理科教育振興協会
https://www.japse.or.jp/rishin-hou



○ 75-80mm アクロマート屈折・赤道儀一式。

1955-1970( 高度成長期、15年間 )の価格を調べると、
物価・給与等の変動に関わらず、当時の価格で、7~8万円で推移して
います。(五藤・ニコン etc)

15年間で、初任給は 約 4倍に上昇。望遠鏡は約 1/4 値下に相当。
一般アマチュアに、手が届く価格となっています。

(備考) 人事院、国家公務員初任給変遷
https://www.jinji.go.jp/kyuuyo/kou/starting_salary.pdf



1976年、初の3枚玉アポクロマート、短焦点(F8)旧ガラス
鏡筒が、五藤から発売。

更に、1981年、短焦点(F8)フローライト鏡筒が発売され、
以後、短焦点アポクロマート時代に、大変換しました。

(備考) タカハシ、FC-76
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi2.5i.htm



続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://www002.upp.so-net.ne.jp/bob-k/hosi.htm
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