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○ 公開天文台の未来 ☆3 [天文宇宙・望遠鏡カメラ全般]

○ 公開天文台の未来 ☆2
https://hajimechan01.blog.ss-blog.jp/2021-08-28

・・の続きです。


日本において、公開天文台が急激に増えた時期は
1988~、バブル期でした。

その後も、天文台建設ブームは続き、2021年現在、
全国の公開天文台は、約 500箇所に及びます。

(参考) 
https://paonavi.com/t/japos

2006年時点でも、約 400箇所に及びます。

(参考) 日本公開天文台協会
http://www.koukaitenmondai.jp/
https://www.astroarts.co.jp/news/2007/04/26japos/index-j.shtml


しかしながら、自治体等の競争(見栄)の為に、意味無く
大口径化が進み、その見栄味、使い勝手 etc は、残念な
がら低下してしまいました。

日本付近は、ほぼ1年中偏西風による大気擾乱(気流)の
為に、限界以上の口径では、星像が大きく乱れます。
即ち「星がピンボケ」してしまいます ※1

大口径による眼視観望・・ 星ピンボケ対策は、口径を絞る事。

もっと良い方法は、最初から適切な口径の望遠鏡を設置する事です。


IMGP3034ms.jpg


上写真、タカハシ FCT-200 ・3枚玉 蛍石アポクロマート。

余裕の設計で、通年でシャープな結像が期待出来ます。

月面においては、微細な細谷(トリスネッカー谷等)が網目の様に
広がる様子、プラトー内部の微小クレーターが4個+複数が
検出可能です。

木星においても、複雑なフェストーン、白斑暗斑等を
検出可能です。

星雲星団彗星等においても、高コントラストを生かし
口径の限界近くの見え味を期待出来ます。


長焦点・屈折望遠鏡の利点は、対物レンズが高い位置にある為に・・

・温度順応が速い。
・観測者の体温の影響が少ない。

この2点、極めて大きなアドバンテージとなります。


日本国内において、比較的気流の安定した北部・九州地区

15~25cm の口径のアポクロマート望遠鏡を備えた
公共天文台が数多くあります。


_________________________________________________________


seeing-his.jpg


※1
シーイング、ヒストグラム(日本国内・標準値)

シーイング  ディスク直径 (秒) 分解能 (mm) 頻度 (%)

8        1.0       240         0.5
7        1.4       170          2
6        2.0       120          10
5         2.8       85          25
4         4.0       60          50


上記、日本国内における標準的な気流。

口径25㎝クラスになると、満足出来る時間頻度は、
1%を下回るレベルとなります。(眼視)

これ以上の口径の場合、CMOS撮像+大量スタック
+画像処理等が必要になる場合が大半です。

広島・岡山等、内陸部は、かなり良いシーイングに恵まれる事が
多い様子です。

(参考) 広島大学
http://www-heaf.astro.hiroshima-u.ac.jp/thesis/chiyonobu2004.pdf


seeing6.gif


(参考) シーイング・スケール6
http://www.damianpeach.com/pickering.htm


続く・・ (`・ω・´)

☆ 星の便利帳
http://hajimechan01.secret.jp/hosi.htm
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